
自衛隊の幹部候補生になることを目指している方「自衛隊の幹部候補生になりたいので、試験の内容及び勉強法を知りたい。」
このような疑問に答えます。
もくじ
- 自衛隊幹部候補生の試験内容及び試験科目
- 一次試験の概要
- 教養択一
- 専門択一
- 専門記述
- 二次試験の概要
- 小論文
- 口述(面接)
- 身体検査
- 私が実践した勉強法
- その他
- 幹部候補生学校入校後有利になるスキル
- 幹部自衛官として最も重要なもの
この記事を書いた人
元陸上自衛隊幹部。大学(文系)卒業後、自衛隊一般幹部候補生の試験に合格し陸上自衛隊に入隊。数年間陸上自衛隊で勤務した後、退職。現在サラリーマンとして勤務中。

本記事では、自衛隊の一般幹部候補生試験の内容及び勉強法等を私の実体験をもとに紹介します。
自衛隊幹部候補生の試験内容及び試験科目
自衛隊の幹部候補生になる方法は一つではありませんが、最も一般的な方法は、一般幹部候補生試験を受験し、合格することです。
自衛隊一般幹部候補生試験には、一次試験と二次試験があります。
一次試験は例年5月上旬、二次試験は一次試験合格者に対して例年6月下旬に行われます。
最終合格者の発表日は例年7月下旬(私が受験した年は8月下旬であった。)であり、最終合格者には下記の書面が郵送されます。
なお、合格者の中には上記2通の書面のうち、「合格通知書」のみが郵送され、「採用に関する意向調査書」が同封されていない方がいるそうですが、その方は補欠合格のようです。(真偽は不明です。)
また、受験資格には、年齢要件、身体要件等があります。細部については、下記リンクより公式ホームページを参照してください。
https://www.mod.go.jp/gsdf/jieikanbosyu/recruit/01.html
一次試験の概要
一次試験は筆記試験で、陸上、海上及び航空自衛隊志願者共通の試験です。
自宅付近の大学等が試験会場となり、大学の教場内で実施されます。
試験は、教養択一、専門択一(いずれも5肢択一のマークシート)及び専門記述(記述式:A4用紙2枚)の3つに分かれており、同一日に実施されます。※
※(AM)教養択一 → (昼食) → (PM) 専門択一 → 専門記述 の順
問題の難易度は、いわゆる「地方上級・国家一般職(昔でいう国II)」レベルです。
以下、細部について解説します。
教養択一
教養択一問題の試験科目の詳細は下記の通りで全70問中60問を選択して回答します。
試験時間は3時間20分です。
科目 | 出題数 |
日本史 | 2問 |
世界史 | 2 |
地理 | 3 |
思想 | 3 |
政治 | 3 |
経済 | 3 |
社会 | 3 |
国際関係 | 1 |
数学 | 3 |
物理 | 2 |
化学 | 2 |
生物 | 1 |
地学 | 2 |
合計 | 30 |
科目 | 出題数 |
英語(長文読解) | 10問 |
国語(長文読解) (うち2〜3問は古文、漢文) | 10 |
数的推理 | 10 |
判断推理 (うち1問は暗号) | 5 |
資料解釈 | 5 |
合計 | 40問 |
【一言アドバイス】
教養択一は3時間20分もあるが、回答数が60問と多く、また、英語の長文読解や、数的推理等の計算問題が多く、かなり急ぎ目に回答しないと時間が足りなくなります。
専門択一
専門択一問題は、「人文科学」、「社会科学」、「理工学」のうち、いずれか1つを選んで回答します。
私は、上記のうち「社会科学」を選択したので、以下「社会科学」について記載します。
試験科目の詳細は下記の通りで全27問中20問を選択して回答します。
試験時間は1時間50分です。
科目 | 出題数 |
政治学 | 3問 |
行政学 | 2 |
社会学 | 2 |
社会政策 | 2 |
憲法 | 2 |
行政法 | 2 |
民法 | 3 |
刑法 | 2 |
経済学 | 8 |
財政学 | 1 |
合計 | 27問 |
【一言アドバイス】
専門択一は、計算問題等時間のかかる問題が少なく(社会科学の場合)、じっくり考えながらやってもなお時間が余ります。
専門記述
専門記述問題は、「心理」、「教育」、「英語」、「行政」、「法律」、「経済」、「国際関係」、「社会」、「数学」、「物理」、「化学」、「情報工学」、「電気」、「電子」、「機械」、「土木」、「建築」、「航空工学」、「海洋・航海」の中から、いずれか1つを選んで回答します。
各科目には、大問が2問あり、2問とも回答します。
問題は、穴埋めではなく、「○○(専門用語)について述べよ。」的な全記述式の問題です。
また、「英語」の問題は、1問目は英文和訳、2問目は和文英訳なので、英語の得意な人は、確実に得点できるので有利です。
回答要領は、A4用紙が2枚配布されるので、1問につき1枚使用し回答します。
字数制限はありません。(裏面への記述は不可だったような気がします・・・)
試験時間は1時間30分です。
【一言アドバイス】
専門記述は、1時間30分でA4用紙2枚を字で埋めなければならないので、かなり急がないと時間が足りなくなります。
二次試験の概要
二次試験は小論文、口述(面接)、身体検査で、ここからは陸上自衛隊志願者のみの試験となります。
試験会場は、指定された陸上自衛隊の駐屯地となり、駐屯地内の各施設で試験が実施されます。
試験は、小論文、口述(面接)、身体検査の順に実施され、午前中に終了します。
以下、細部について解説します。
小論文
試験会場は、ある駐屯地の研修棟という建物の中の教場のような部屋(大部屋)でした。
小論文は、2題中1題を選んで回答します。
なお、2題のうち1題は必ず防衛関係の問題となっています。
回答要領は、A4用紙1枚、字数制限812字以内(一次試験の専門記述とは異なり、こちらには字数制限があります。)
試験時間は、1時間です。
ちなみに、私の受験時の問題は下記の2問でした。
- 我が国における国際的な安全保障の維持に対する取り組みについて述べよ
- 我が国における行財政改革に対する取り組みについて述べよ
【一言アドバイス】
1時間で812文字回答なのであまり時間はないが、朝一の試験でまだ頭がクリアなので、比較的余裕を持って書けました。
口述(面接)
試験会場は、同じく研修棟の教場のような部屋(小部屋)でした。
実施要領は、まず受験生が約10人単位の1コ班に分けられた後、一人一人番号が付与され、その番号順に面接室に呼ばれます。(その他の人は待機部屋にて待機)
面接室はドアが閉まっており、ドアを開けることから面接が始まります。
面接室の中には受験者用の椅子が1つが置いてあり、その正面に面接官(幹部自衛官3名)が座っています。
受験番号と名前と氏名を名乗り、面接官に着席を促された後、着席、面接が開始されます。
面接の流れは、1佐→2佐→3佐の順でまとまった質問がされ、その後、順不同で3人から適宜質問されるというものでした。
時間は、概ね20分程度でした。

○面接で聞かれた事項(うろ覚えです・・・これで全部ではありません。)
- 志望動機は何か。
- 自己紹介せよ。
- なぜ幹部自衛官になりたいのか。(曹ではなく幹部になりたい理由は何か。)
- 幹部にとって最も大切なことは何だと思うか。
- 幹部候補生以外に他の公務員や企業等を受験したか。両方合格したらどうするか。
- 家族は、今回の受験について何と言っているか。
- 海外派遣に行けと言われたらどうするか。
- 結婚していたと仮定して、海外派遣について奥さんに猛反対されたらどうするか。
- 幹部として部下を率いる上で何に着意するか。
- 趣味は何か。
- 学生時代に何かスポーツをやっていたか。
- 結婚予定の相手はいるか。
- 全国転勤でも問題ないか。
- 長所と短所は何か。
【一言アドバイス】
頭髪(短髪)、服装(クリーニングされたスーツ、手入れされた靴)等身だしなみをしっかり整えることは勿論、質問には、大きな声で簡潔にハキハキ回答し、姿勢を正し、落ち着いて、顔や手足をみだりに動かしたりしない態度が重要だと思います。
なお、質問に答えることが非常に重要です。趣味は何?と聞かれているのに志望動機は○○です、と回答したら、質問に答えていないことになります。
私は、「趣味は何?」の質問に対しては、「趣味は○○です。」のように質問にしっかり答えていることをアピールするために、敢えて聞かれている言葉を繰り返しました。
このことは入隊後も重要です。
身体検査
最後に身体検査を駐屯地の医務室で受験します。
身体検査では、警察官採用試験のように腕立て伏せ等身体能力をテストすることはなく、自衛官としての身体要件(公式ホームページ参照)を満たしているかを検査するものです。
○身体検査の実施内容(うろ覚えです・・・)
- 関節及び骨格検査(首、四肢がちゃんと動くか、鎖骨、背骨は曲がっていないか等を検査)
- 血圧(血圧計)
- 歯科(虫歯の有無等)
- 血液
- 視力(普通のランドルト環による検査)
- 聴力
- 尿
【一言アドバイス】
自衛官としての身体要件を満たしていれば、問題ないと思います。試験前は暴飲暴食等せず、健康管理に気をつけ、試験に臨みましょう。
虫歯はあらかじめ治療しておくと良いのではないかと思います。
私が実践した勉強法
私が一般幹部候補生試験受験のために勉強したことは、下記の成山堂書店の過去問を繰り返し勉強したことのみです。
具体的には、3度反復して繰り返し勉強しました。
期間は、概ね6ヶ月程です。
特に、数的推理、判断推理は計算問題で、慣れが必要なので、答えを覚えるだけでなく、計算過程等解き方も繰り返し訓練しました。
私はもともと公務員志望で、大学時代に1年間公務員予備校で「地方上級・国家IIコース」を履修し、ある程度勉強していたので、上記1冊のみで合格できました。
しかしながら、予備知識なしでこれから一般幹部候補生の勉強を開始する方は、上記過去問のみではなく、公務員の「地方上級・国家II種」レベルの問題を別に解いておいた方が良いと思います。
ポイントは、知識問題は広く浅く勉強し、数的推理、判断推理に力を入れることです。(これは大学時代に受験した他の公務員試験でも同様でした。)
本試験は(他の公務員試験全般に言えることですが)、出題範囲が膨大で独学での対策はなかなか困難であると思います。
このため、下記のような「地方上級・国家一般職」コースのある公務員予備校で学習すると合格率が大幅に上がるので、活用してみることをおすすめします。
その他
最後に、合格後入隊までにやっておいた方が良いこと、また、早い段階で自衛隊を目指しており、入隊までまだ多くの時間が残っている方がやっておいた方が良いこと等について、経験者としての視点から紹介します。
幹部候補生学校入校後有利になるスキル
幹部自衛官として勤務し、実務経験を積んできた私が、入隊後有利になるスキルについて紹介します。
結論からいうと下記の3点です。
- 体力
- 英語力
- パソコン力
以下、順に解説していきます。
○体力
自衛隊は、入隊試験では体力の有無については問われませんが、下記の通り、入隊後、幹部候補生学校では体力の有無が成績に直結します。
・体力検定(腕立て伏せ、腹筋、3,000m走)
体力検定は、入校間、数回実施しますが、規定の基準に達しないと卒業できません。故に、入校直後の1回目の体力検定時に規定の基準に達していない者は、訓練終了後、皆が勉強や親睦を深めている間、別メニューで特訓することになります。また、体力検定結果自体、評価されます。
・登山走
幹部候補生学校近くの山を体育服装で走ります(6km)。全員一緒にスタートし、1位から最下位まで順位が付けられます。
・武装走
幹部候補生学校近くの山をフル装備で走ります(3km)。こちらも順位が付きます。
・行軍
入校間、数回数10kgのリュック(背嚢と言います。)を背負って行軍します(30km〜100km)。こちらは、特に目に見える順位は付きませんが、途中で脱落すると、同期に迷惑をかけ(脱落者の荷物は基本的に同期が持たなければならない。)、評価が下がります。
・演習
入校間、数回演習場で訓練しますが、劣悪な環境下で重い荷物を背負い、長距離歩いたり、ショベルで穴(掩体といいます)を掘ったりします。体力不足で自分の役割をしっかり担えないと(例えば自分の掘る穴が期限までに完成しない等)、同期が代わりにそれを担うことになり、迷惑をかけるとともに、評価が下がります。
このように、体力の重要性を挙げればキリがないですが、逆に体力さえあれば大抵のことはどうにかなりますし、同期を助けることもできます。
幹部候補生学校を卒業して、部隊に配属された後も上記は続きます。体力がある小隊長なら、それだけで隊員はついてきますし、災害派遣等でも多くの方の役に立つことができます。
よって体力は十分に鍛えておきましょう。
【おすすめの訓練方法】
・腕立て伏せ、腹筋、ジョギングを毎日の習慣にする。(ウエイト系の筋トレは必要ない。)
私が使用したおすすめの本は下記のものです。
こちらの本は、刑務所の囚人が監獄内で筋トレをするためのノウハウを本にしたもので、自宅等の限られたスペースでダンベル等のウエイトを使わずに効果的な筋トレ(自重筋トレ)をする方法を学べます。
素人が独学で(トレーナーの人の指導なしに)ダンベル等の器具を使用した筋トレをすると怪我をしやすいので、上記のような本に基づき器具を使用しない筋トレをすることをおすすめします。
また、ジョギングについても、足にウエイトを付けて走ると膝を痛める等怪我をしやすいのでやめた方が良いです。負荷を上げるなら階段や上り坂を走ったり、走る距離を増やしましょう。
体力錬成時の私のおすすめのサプリメントは、以下のものです。
このサプリメントは、私が部隊配属後に先輩から教えていただき、それ以来私もずっと飲み続けているのですが、激しい運動前にこれを飲んでおくと、ハイパフォーマンスを発揮できるとともに、足がつったり、怪我をすることを防げます。
参考:幹部候補生学校での体力検定のおおよその基準
腕立て伏せ、腹筋を2分間でそれぞれ80回できれば上位、それぞれ100回できればトップクラス。3,000mを10分台で走れれば上位、9分台で走れればトップクラス
・ゆっくり長時間登山をする。
→持久力を養うことを目的
関東に住んでいる方であれば、富士山の登山をおすすめします。
富士山は、体力、気力、装備(携帯食料含む。)がしっかりしていないとそう簡単には登れません。また、初登山者の多くが低い酸素濃度により高山病にかかります。
こういった経験を通してスポーツ以外の体力(自衛隊では演習体力といったりします。)を増強しておくことも重要です。
○英語力
また、国際化が進み、日米同盟の重要性がうたわれている現在の自衛隊においては英語力もとても重要です。
幹部候補生学校においては、毎週軍事英語及び一般英語の授業があるのですが、英語の授業はレベル別に数クラスに分かれており(英語以外の全ての授業は全員同じクラス)、入校直後のTOEICの点数によってクラス分けされます。ここで一番下のクラスに入ってしまった時点で上のクラスの者よりも英語の評価は下がります。
また、入校間、弁論大会というものが実施され、皆の前で日本語だけでなく英語でもスピーチしなければなりません。この際、英語がある程度できれば苦労しなくてすみ、スピーチ内容も充実させることができます。
さらに、入校間米軍研修等外国軍と交流する機会があるのですが、その際のコミュニケーション言語は英語です。先方と会話等する際、英語ができると苦労しなくてすみます。
幹部候補生学校を卒業して、部隊に配属された後は、TOEICの点数が重要になってきます。TOEIC600点あれば英語力が一定程度あると見なされ、英語研修に参加することができるのですが、この研修は上級幹部への登竜門と言われています。つまり極端に言えば英語ができないと、ある段階で階級が頭打ちになるということです。(もちろん例外もあります。)
よって、英語力も十分に鍛えておきましょう。
【おすすめの訓練方法】
・TOEICの勉強
→目標600点
私がTOEIC600点を取得した方法については下記の通りです。
英語初心者がTOEICで600点取得するための具体的な勉強法【1年で300点アップしました】
・基本的な英会話の勉強
私が、英会話の勉強で使用した本は下記の通りです。
こちらの本では、文法毎に基本的なフレーズを暗記し、それを応用することを推奨しており、英語を話すためのトレーニング方法について学べます。
○パソコン力
最後に、重要なスキルはパソコン力、具体的にはmicrosoft officeのword、excel、powerpoint等のソフトを使いこなす力です。
入校後、各自に1人1台PC(windows)が貸与されます。入校間のレポート等資料作成は基本的に全てこのPCで作成することになり、PCが使えないとかなり苦労します。
また、部隊配属後も基本的に幹部はPCの前に座っている時間が1日の中で一番長くなる程、様々な資料作成、メールの処理等をします。また、word等のソフトを使いこなせず、見苦しい資料では上司の了解もなかなか得られず、深夜まで残業するという地獄を味わうことになります。
そうならないためにも、PC力、最低限microsoft officeの各ソフトを使いこなせるようになりましょう。
余力があるなら、情報処理技術者試験(基本情報技術者、応用情報技術者等)も取得しておくと良いです。
部隊配属後、システム構築等を自らすることができれば部隊からも重宝されるし、スペシャリストとしてのキャリアも開けてきます。
【おすすめの訓練方法】
・ブラインドタッチ
・microsoft office specialist(MOS)資格の取得
→特にword、excel、powerpoint(できればoutlookも)
MOS資格について、私は、これらの教材を使用して取得しました。
・ITパスポート、基本情報技術者資格の取得
私がITパスポート資格を取得した方法は下記の通りです。
ITパスポート試験におすすめの参考書、過去問及び勉強法【2冊のみで独学合格しました】
○自衛隊で今最も必要とされている人材は、体力のある者、英語力のある者、ITに強い者です。これらを念頭に自分のスキルを磨いていって下さい。
※(追記1)
幹部候補生学校で学ぶ座学の内容について、入校前に予習することはできるか?
幹部候補生学校では、戦術や各種武器の運用方法等を学び、それらについても入校間数回試験が実施されます。
このため、入校前に事前予習できれば有利になると思う方もいるでしょう。
しかし、それらの資料は部外秘に当たるため、事前に学習することはできません。
ただ逆に言えば、皆が同じスタートラインということです。
戦術等については、入校後しっかり学びましょう。
入校後に戦術等の課題や試験の勉強に集中するためにも、体力、英語、PC操作といった入校前に準備できることについては、入校前にしっかり準備しておきましょう。
※(追記2)
幹部候補生学校入校中、遠泳訓練(海をゆっくり平泳ぎで6km)があります。
最初は学校内のプールで水泳訓練を開始し、徐々に距離を伸ばしていって最終的に近隣の海で6km泳ぐというものです。
本水泳においては、スピードは求められず、ゆっくりでも良いので6kmを平泳ぎで泳ぎきれる基礎的な泳力、体力及び気力(足がつかない水内で恐怖心を感じないことも)が求められます。
練習開始当初全く泳げない者は、赤帽を被らされ、こちらも時間外練習の対象となります(泳げる人は白帽)。誰でも初めから6km泳ぐことは難しいので、普通に25m、50m平泳ぎで泳げる人は白帽です。
このため、金槌の人は最低限泳げるようになってから入校すると水泳訓練にすんなり適応でき、入校後の苦労が少なくて済みます。
幹部自衛官として最も重要なもの
最後に、自衛官として最も重要なものをお伝えします。
それは、良好な人間関係の構築です。
良好な人間関係の構築ができれば、平和に定年まで勤務することができると思います。
そして、良好な人間関係を構築するために重要なことは、自分のことよりも他人のことを優先してやることです。(いわゆるgiverになることです。)
「辛い時こそ、自分より周りを優先できるか」
ここが幹部自衛官として常に見られ(上司、同僚、部下から)、試されていることだと思います。
これから幹部になる方は、是非己に克って、立派な幹部自衛官となって下さい。